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キャリバン(Caliban)は、
ウイリアム・シェイクスピアの戯曲『テンペスト(The Tempest)』の中に登場する怪物の名前です。
戯曲の舞台となる島の持主であった魔女シコラクスの息子ですが、
戯曲の主人公である元ミラノ大公プロスペローが島にやって来てからは、
プロスペロ―のあやつる魔法のために島を奪われ、
プロスペロ―の奴隷のようになって下働きをさせられています。
このため、プロスペロ―に対するうらみは激しく、
なんとかプロスペローに仕返しをしようと試みますが、
プロスペロ―の魔法と妖精エアリエルの前にことごとく失敗します。
You taught me language.(あんたがおれに言葉を教えてくれた)
これは劇中でキャリバンがプロスペロ―に向かって言う台詞です。
人間の言葉を理解しないキャリバンに言葉を教えたのはプロスペロ―でした。
おかげで怪物キャリバンは立派な言葉を使えるようになり、
プロスペロ―に対して数々の悪態をつけるようになりました。
You taught me language; and my profit on't
Is, I know how to curse.
(あんたがおれに言葉を教えてくれたよ。おかげで、
おれは悪態のつき方を知ってるのさ)
言葉を話す怪物キャリバン。
シェイクスピアの作品中でも出色の登場人物(怪物)であるキャリバンの存在が、
『テンペスト』をきわめて完成度の高い作品としていることは間違いない。
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